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「劇団、江本純子」で、その
セリフ劇の才能にワタシも注目した
江本純子氏率いる
「毛皮族」の
10周年記念公演『小さな恋のエロジー』を観劇(12月12日・下北沢駅前劇場)。
劇団のプロフィールを読むと、かつてこの駅前劇場で史上初の1カ月ロングラン公演を行ったというだけあって、この劇団への高い人気と期待感だろうか、男女入り乱れた客席は開演前から上気が立ち上る。
桟敷席に座る客には、首からすっぽりかぶれるビニール(レインコート?)が配られ、それも何事が起こるのかと期待感をあおる。
舞台には、“汚し”の入ったバラックが建てられ、バケツや段ボール箱やらが雑然と転がる。そこにかすかに流れる韓国語の歌。それもお洒落なK-POPではなく、この舞台に似合うチープ感漂う
ポンチャック歌謡が…。
この
『焼肉ドラゴン』を思わせるようなセットをバックに、舞台は幕を明ける。
ハワイ旅行の「当りくじ」を当てた在日(?)韓国人姉妹の騒動を端に発したストーリーは、謎めいた連続殺人事件へと様相を変え、極貧にあえぐ“うっかり妻”と夫の作業場、女殺し屋らが踊り狂うクラブ、殺しを依頼した男の家庭、そして、姉妹のルームメイトであるOLの職場…など、いくつもの異なる場面が次々と転換されるなかで、やがて“物語”はダイナミズム溢れるラストへと向かっていく。
終盤はバラックがハケた舞台に雪が舞い、吹雪のなかで銃撃・追走劇が繰り広げられるのだが、ストーリーそのものは特筆すべきものでもなく、多層的な場面転換やエンターテイメント感溢れる劇的ドラマトゥルギーを支えるためツールでしかないように思える。
意外だったのは、そのテイストがかつてのアングラ劇を彷彿させるもので、78年生れの江本氏がそれらに
どのように影響を受けたのか、はたまたまったくの突然変異なのか?
そして、「芝居」の幕が閉じると、舞台は一転して女優たちの華やかなレビュー・ステージへと換わる。着物をはだけた半裸に星形ニプレスの女子たちが舞い踊り、
KARAに扮して歌い、弾ける。まるで学園祭のようなノリで、熱と汗を振りまく。最後は、江本団長よるドスの効いた韓国歌謡で、ビシッと〆た。
もしかすると、これをやりたいがために、今まで「芝居」を演じていたのかと勘繰るほどの、祝祭感溢れるエンディングだった。
「毛皮族」は女性だけの劇団ではないが、“女性が主役”の劇団であることは間違いない。もちろん宝塚を始め、今も数々の女性劇団が活躍しているが、こと小劇場運動に限っていえば、最初に女性劇団として注目を集めたのは74年に結成された
「青い鳥」ではないかと思う。
しかし、
リブの運動から生れた(と聞いている)「青い鳥」には、どこかジェンダーフリーな表現が感じられたが、「毛皮族」は露悪的とも思えるほど、「女性性」を強調する(…かのようにワタシには見える)。
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