藤田正氏による類書禺画像] はあったものの、そのヴォリュームやジャンル、さらに福島原発事故以降の「反原発ソング」の急増も踏まえた、待望の一冊。副題に「反原発から反差別まで」とあるように、世界中のプロテスト・ソングを集めた貴重なカタログだ。
ほかに反戦ソング、覇権・圧政に抗する歌、性差別、自然破壊を糾弾するものまで、7つのジャンル分けで紹介されるプロテスト・ソングの数々は多岐にわたる。一読にして印象に残るのは、それらの歌の数々が欧米のポピュラー・ソングに限らず、広く世界中のプロテスト・ソングを紹介している点。
さすがにワールド・ミュージックに強い「ミュージック・マガジン」詩の面目躍如といったところか。
原爆を投下したエノラ・ゲイ号を歌った
オーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダーク(OMD)の
「エノラ・ゲイの悲劇」や、あの山下達郎氏が反戦を掲げて歌いあげた
「THE WAR SONG」がなぜ取り上げられないだの、喜納昌吉&チャンプルーズは「東崎」よりもやっばり
「島小ソング」だろうとか、瑣末な揚げ足とりはやめておこう。
ここは本書を片手に豊穣なるプロテスト・ソングの世界を堪能すべし。しかしながらいつに増して思うのは、こうしたガイドブックこそ電子化されて即座にネットからその曲を聴くことができるという仕様がとれないものか。読んでいて曲が聴けないもどかしさを感じるのは、ワタシだけではないだろう…。
というけわで、とりあえず第一章の「原発、核兵器の根絶を訴える歌」を以下にリンクしてみた。
ゴールデン・ゲイト・カルテット/アトム・アンド・イーヴル
小室等と六文銭/ゲンシバクダンノウタ
クラフトワーク/放射能
ギル・スコット・ヘロン/ウィ・オールモスト・ロスト・デトロイト
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