芸能・スポーツ、財界などさまざまな分野で活躍する在日コリアンたちののルーツを明らかにした書としては、古くは
『在日コリアンパワー』�禺画像] (1988年)があり、 このテーマから
『海峡を越えたホームラン』�禺画像](1984年)や
『コリアン世界の旅』�禺画像] (1997年)といった秀作ルポルタージュも生れている。
そうした意味では、本書にそう目新しさはない。
力道山をはじめとする本書に登場する在日スポーツマンはほとんどすでに「コリアン」として知られている人たちであって、そこに登場するエピソードもどこかで目にしたものが少なくない。
芸能人にして然りなのだが、個人的には故・
松田優作氏の件に心を痛めた。松田がコリアンであることも、それゆえにハリウッドを目指していたことも巷間に耳にしていたが、ここで語られるのは激しい在日コリアン差別であり、そこから逃れようとする松田の慟哭だ。
僕は今年の7月から日本テレビの『太陽にほえろ!』という人気番組にレギュラーで出演しています。(略)もし、僕が在日韓国人であるということがわかったら、みなさんが失望すると思います。特に子供たちは夢を裏切られた気持ちになるでしょう。
…という帰化を望む松田が法務大臣当てた「帰化動機書」からは、悲痛な叫びが伝わってくる。その一方で、「在日韓国人」であることは、人を「失望」させ、子供たちの「夢」を奪うことだと書かざるをえない、屈折した心情が何とも痛ましい…。
韓流ブームでかつてほど、在日コリアンに対する差別意識はなくなったのではないか? という意見も聞く。ならば未だに多くの芸能人が、自らの出自に口を閉ざすのは何故なのか? そこには厳然たる「差別」があるからではないか?
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