中島美嘉はけっして歌の“上手い”歌手ではない。
声量や声域があるわけでもないし、ヴォイス・コントロールに長けているわけでもない。
しかし、宇多田ヒカルがそうであるように、確固たる自分の歌世界を持ち、その世界に聴く者を引き込む不思議なチカラがある。
その“セツナイ”の歌唱が、中島がつむぐ歌世界と相まって、儚い夢を魅せてくれる。そこが中島の魅力だと、ワタシは思う。
その中島が自身の歌世界に確信を持った(?)、自身に満ちた6作目
『STAR』。
アルバムを貫くテーマは、“生きる強さ”か。
全14曲のうち8曲を中島の自作詩が占める。
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「ALWAYS」、A「一番綺麗な私を」、BBABY BABY BABY」と続く冒頭のバラード3曲で、すでに“セツナサ”満開の中島ワールド。
「光輝くために、今を生きていこう」と歌いかける前向きソングC「Over Load」、K-POPを思わせる軽快なD「GAME」、ファンキーなE「SMILEY」、山口百恵を彷彿させる歌唱が印象的なF「CANDY GIRL」、重厚なエロクトロニカG「LONELY STAR」、 ダンシーかつストリングスが映えるH「No Answer」、ハウス風のI「SPIRAL」、オーガニックなダンスナンバーJMemory(feat.DAISHIDANCE)、中島が16歳の時の思いを綴ったK「16」、そしてキュートなロマンチック・バラードL「流れ星」と続き、最後はピアノとチェロ、コントラバスのみで見事に中島ワールドを構築したM「SONG FOR A WISH」で、このアルバムはしっとりと幕を閉じる。
そうした中島の歌世界を彩るサウンド群は、けっして時代に即したエッジ感溢れるものではない。むしろ徹頭徹尾、中島の歌を生かすために、クリエーターたちが細心の技を注いだ“引き”の音、という印象。
CMやテレビなどのタイアップ・ソングが多いためか、やや統一感に欠ける散漫なイメージも受けるが、それを凌駕する中島の自信に満ちた歌世界に浸れる一枚。
「耳」の治療に専念するために、歌手休業をしている中島だが、ゆっくりと休養・治療して、またあの素晴らしい歌世界にワタシたちを連れて行ってほしいと思う。
『STAR』 アルバムダイジェスト PV↓
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