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【TV】そうだったのか!池上彰の学べるニュース 東日本大震災特集
2011-03-31


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「ニュースステーション」久米宏氏なのだが、久米氏がフリップはもとより、多彩な画像や模型をゲストを招いてのそれだったのに対して、池上氏はほぼフリップのみで、まるで“講義”のように次々に今回の事故で吹き出た問題や単語の意味を語り続ける。

日航ジャンボ機墜落事故の際に、犠牲者と同じ数だけの靴を並べてみせた久米氏のような“演出”をひけらかすこともなく、ひたすら語りまくる池上氏。ゲストやサブ司会者にフルもおざなりで、まるで一人語りの「池上彰ショー」を観ているかのよう。
そこが「司会者」に拘泥した久米氏と、ジャーナリストたらとする池上氏の決定的な違いといえる。

とにかく、今回の原発事故とその影響について多くの人が抱いたであろう数々の疑問を、ゴールデンタイムの3時間にわたって解説しまくるという前代未聞の番組が成立したのも、池上彰氏の手腕によるところが大きいに違いない。視聴率も13.1%と健闘したようだ。

しかしながら、つきつめて言えば池上氏がこの番組で訴えかけるのは「恐れることとと恐れる必要のないことを明確にする」ということなのだが、やはりその主張に懐疑を持ってしまうのは、基本的には原発を推進する側にいる二人のゲスト(鈴木正昭氏・村松康行氏)の発言・論を依拠としていることだ。

たしかに、チェルノブイリ原発事故によって飛散した放射能の人体への影響は(一部を除いて)科学的にはまだ証明されていない(とされる)。その言説が何度も繰り返され、「だからチェルノブイリ事故のような放射能の飛散が考えにくい今回の福島第一原発も心配ない」という論調に終始するのだが、本当にそうだろうか?

そもそもワタシたちが知りたいのは、「福島第一原発で起こりうる最悪の事態とは何か?」「その際にどのような放射能が放出され、それはどのように私たちの健康や生活を脅かすのか?」ではないか。「今」ではなく、「未来」を案じているのだ。「現実」ではなく「可能性」に怯えているのだ。

なぜそれを解説する学者やジャーナリストが現れないのか? いや、正確に言えば「なぜ登場させないのか? 」だろう。そこを語らずに、「今のままなら安心」を繰り返すばかりでは、“御用学者”と断じられても仕方ないのではないか。
「予測できないことは言えない」では、学問の世界ははともかくジャーナリズムの世界では「ありえない」ことではないか。なにしろ、ワタシたちの生命がかかっているのだ。

さまざま疑問に答えてくれ、大変勉強にもなった本番組だが、この重大な問いに対する回答がなかったことに、大いなる疑義を唱えておきたい。

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